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2023.04.24

“東日本大震災の語り部”武山ひかるさんが本学を卒業

 東京福祉大学伊勢崎キャンパス社会福祉学部精神保健福祉専攻で学びながら、 自らの東日本大震災の被災体験を伝える語り部として活動していた武山ひかるさんが、2023年3月に本学を卒業しました。

 武山さんは、小学校4年生のとき、故郷・宮城県が東日本大震災で被災。家や思い出の場所を一瞬にして失った経験を語り部として伝えることで、次は誰かの命を救えるかもしれないという思いで”語り部”としての活動を続けてきました。

過去の武山さんの活動【tusw×life】

 

 卒業を迎え、大学4年間の学びやこれまでの語り部の活動を振り返っていただきました。

 

 

――大学生活でも語り部の活動を精力的に行われていたかと思いますが、どんな方を対象に、どのくらいの頻度で行っていましたか? また、そこで出会うみなさんの反応などはどのように感じていましたか?

武山さん:小学生から大人の方まで全ての世代の方を対象に、学校や地域の公民館、役所主催の講演会などでお話をさせていただきました。平均すると月1回程度はお話しさせていただく機会があったと思います。震災が起こったときのことを知りたい、命について話をしてほしい、南海トラフ地震に備えて話を聞きたいといった様々な依頼をいただいていました。「聞けてよかった」「自分の地域は津波は来ないけれど、土砂崩れなどが起きやすいので事前に避難場所を家族で話し合っておきたい」というような感想をいただきました。


語り部としての活動の様子

 

――卒業を迎えた今、4年間の大学生活を振り返っていかがでしたか?

武山さん:東京福祉大学では、アクティブ・ラーニングという学生が主体的に学ぶ授業方式をとっています。学生同士でグループ討議をしたり調べものをしたりと、全国各地から集まった学生さんたちとの交流はとても楽しかったです。また、先生方も親身になって勉強のことや家族のことについて相談に乗ってくれたのでとても安心できました。2年次からコロナ禍になりオンライン授業などで会えなくなってしまった友人もいたけれど、とても楽しい4年間でした。


2019年11月5日の「世界津波の日」の座談会にも参加

 

――卒業後はどんな仕事に就く予定ですか。そこでどんなことをしていきたいですか?

武山さん:精神保健福祉士国家試験に合格することができました。卒業後は、地元の宮城県に戻り、放課後等デイサービス、就労B、自立訓練を行っている多機能事業所で精神保健福祉士として仕事をしていきます。大学で学んだ福祉サービスや制度の内容についての知識を活かして、利用者さんやその保護者の方が困ったときに、よりよい生活を送っていけるようサポートの提案をしていきたいと考えています。利用者さんとの関係性の構築を第一に意識して、関わっていくことのできる精神保健福祉士になりたいです。

 

――今後も語り部の活動を続けていきますか?

武山さん:できる限り続けていきたいと思っています。語り部以外でも、何らかの形で震災伝承や防災には関わっていきたいと思っています。 最後に、私は大学進学にあたり学費減免の支援をいただくことができ、安心して勉強に集中することができました。お金や家庭環境などの障壁を理由にやりたいことをあきらめることがないような社会になってほしいですね。また、障害者の方も健常者の方も共に生活することや仕事ができる社会になってほしいと願っています。

 

ご卒業誠におめでとうございます。
東京福祉大学は、武山さんの活動を応援していきたいと思っています。