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中島恒雄総長から報告とメッセージ(その21)

社会福祉士国家試験対策講座および教員研修の実施について

 このたび、6月8日(火)に行いました「社会福祉士養成演習Ⅱ」の社会福祉士国家試験対策授業において、教員研修を実施いたしました。教職員の感想を掲載いたしますのでご覧ください。

 今後とも、本学の教育活動へのご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

以上
令和3年6月12日

学校法人茶屋四郎次郎記念学園
東京福祉大学・大学院
総長・学長
教育学博士 中島恒雄
前ハーバード大学教育学大学院招聘学者

教職員による感想文

社会福祉学部 学部長補佐 准教授
修士(文学) 堀 肇

 

 本授業では、「権利擁護と成年後見制度」から3問取り上げて演習を行なっていた。この科目は、難しい法律の専門用語が出題され、教える側もどうやって分かりやすく教えるか悩むことの多い科目である。

  授業を担当されていた小西先生は、テキストに載っている図も使いながら、できるだけ分かりやすく解説をし、一つひとつの選択肢ごとに学生に問いかけ理解できたかどうかを確認しており、非常に丁寧に進めていたのが良かった。ただ、難しい専門用語を理解させようと、一生懸命説明をするのだが、それが却って分かりにくくさせている印象が拭えなかった。

 これに対して、総長先生から具体的にアンダーラインを引かせる箇所が示され、その部分だけを覚えるよう指導が入った。それは、余計な解説が全くなく、ピンポイントで大事な所を示すものであった。私自信、総長先生の指導を聞いて、あれほど難しいと感じていた用語が、急に分かりやすく、無理なく覚えられるような感じがして、改めて総長先生の指導の分かりやすさに感心させられた。それ以降の小西先生の解説もすっきりとして分かりやすいものになった。

 このように、「難しいことを簡単に教える」ことができることが、総長先生の指導法の素晴らしい所で、私たち教員が学ばなければならない点だと思う。私自身、難しい専門用語が出てくると、学生が理解できているかどうかが不安になり、それに応じて説明も長くなってしまう。しかし、教員が不安に感じながら教えれば教えるほど、学生は分かりにくく不安になってしまうのではないかと時々感じる。特に国家試験のような正解がはっきりしている問題では、曖昧な言い方や自信がなさそうな態度を見せていては、勉強している学生も本当にこの先生の言うことを信じて良いのか疑心暗鬼になってしまうであろう。これに対して総長先生の教え方は、いつも自信に満ちており、学生に対してここだけを覚えれば大丈夫という安心感を与えるものになっているのだ。

 この総長先生の学生を安心させる教え方を身につけるために、今後も本学の教育理念、教育方法を何度も確認しながら精進していきたい。

 


留学生教育センター 特任講師
修士(コミュニティ福祉学) 佐藤 広崇

 

 小西先生による社会福祉士養成演習Ⅱの授業を拝見し、また、総長先生のお話から学んだことについて、以下にまとめます。

  第一に、授業は学生が主役であり、教員は司会進行役、またはファシリテーター的な役割に徹するということです。教員が長々と学問的な知識を述べることは必要ではなく、余計なことを述べるとかえって学生が混乱し、効果が上がらなくなってしまいます。養成演習の目的はあくまでも学生が社会福祉士の国家試験に合格することです。そのためにも、学生にポイントを示す際には、正解に直結する道筋を示すことが重要であり、いかに解説文の余計な部分をそぎ落とし、情報を集約してポイントだけを学生に提示できるかを工夫しなければならないと感じました。その際、難しい言葉や表現ではなく、平易で分かりやすい言葉で明示することにも留意しなければならないと考えました。

  今回、小西先生が扱った権利擁護と成年後見制度の科目では、3親等の血族の数え方や、消費者契約の取り消しなど、学生にとってはあまり親しみがない事項が出てきました。しかし、小西先生は実際に図を指し示したり、法律上の言葉をシンプルな言葉で説明したりと工夫をなさっていました。また、総長先生からも、解説文のどこに線を引いたら、正解にたどり着けるかを意識し、そこだけに焦点を絞るようご指摘もありました。こうした点を客観視できたことで今後の自分自身の授業に活かすことができると考えます。

 第二に、学生に対する声かけや、それに対しての学生の反応をよく把握するということです。選択肢ごとの暗記の時間を取る前に、説明内容が理解できているか、どこがポイントであったかなどを学生へ問いかけ、都度、学生の理解度を確認していく姿勢が求められると思います。これは本学の教育の根底にある「学生との双方向性を意識した授業」という言葉にも換言できると考えました。小西先生がなさっていたようにランダムに学生をあてて、ポイントである箇所を把握できているかと問いかけていく工夫も大切であると感じました。

  今回の研修会では、私も担当する養成演習の授業に関して様々な気づきが得られました。今後も一層研鑽に励んでいきたいと考えております。

 

 


社会福祉学部 准教授
修士(農学) 荒野多門

 

 4限に行われた小西先生の授業見学で気付いたことをまとめることにする。

  小西先生の授業の進行において、総長先生からご指導いただいた点として以下の点がある。

  ①解説の内容について、余計なことは説明しない。線を引いた大切な文だけを暗記させる。
 ②大切なポイントが解説に2箇所ある場合には、両方とも線を引いて、暗記させる。

  これらの指摘があった内容は、学生が暗記することに専念するためにも重要な点であることを改めて確認させていただいた。
我々教員の側が常に戒めなければならないのは、暗記させることを妨げる要素が授業において残されていることである。今回の「余計なこと」とご指摘があった内容は、確かに学生の立場になって考えると、新たな疑問やさらなる暗記の負担を増すことに繋がりかねない部分であり、教員として「説明しない勇気を持つ」必要性を改めて考えさせられた。

 それ以外の小西先生の授業進行で、確認しておいた方が良いと思われるのが、次の点である。

 本日の最初に取り上げた問題で、テキストに載っている「親族関係図」の部分を取り上げたときに、「血族」と「姻族」の違いについては簡単に触れていたが、「親等を数えるときの大切なポイント」について触れていなかった点である。これは、同じ問題を取り上げたときに、学生から必ず質問がされてきたことである。本番の試験ではこのような「親族関係図」は問題には記載されておらず、自分で書き上げることが必要となるものであるが、その時にこの「親等を数える時のポイント」が分かっていないと、「本人と何親等離れているのか」が分からなくなる。基本は、直系の血族(図でいうと本人の縦列の部分)を基本として親等数を書く。次に「血続きの親族」を考えるときに、その親は誰か、ということを考えて親等数を確認する(例えば、「叔父・叔母」の親は(父母と同じ)祖父母であるので、2親等である祖父母の子である叔父・叔母は3親等となる。「甥・姪」の親は(本人の)兄弟姉妹であるので、2親等である兄弟姉妹の子である甥・姪は3親等となる等)。このポイントを一度は確認させた上で、改めて暗記の時間を設定すると、学生の疑問は解決される。

  学生が理解できているかどうか、各選択肢を暗記させた後、次に当てる学生に確認していたのは、前回の授業の反省を踏まえての工夫であると考えるが、時々学生を当てるときに、大切なポイントを確認する質問を入れるなど工夫をされると、授業に緊張感をもたらすことができるのではないか。

 以上が改善されれば、さらに学生のためになる授業になると考えられる。

 

以 上