大学院

GRADUATESCHOOL

児童学専攻修士課程

〔通学課程・通信教育課程〕2年

児童学専攻修士課程では、児童学に関するさまざまな問題(地域および家庭内養育機能の低下など)を専門的、多角的な立場から分析・研究することによって、実践力、問題解決能力のある質の高い専門家や研究者の養成をめざしています。発育・発達、心理、保健・医療、福祉、教育、文化といった保育・児童学に関連のある領域をもとにして、「保育児童学研究分野」「保健・医療児童学研究分野」「特別ニーズ児童学研究分野」の3つの研究分野を設定しています。新たに児童についてトータルに勉強し直そうとする方々の実証的研究も支援し、実践力の養成をはかります。

教育の目的

幼児教育や特別支援の現場、保育、病児・病後児保育や子育て支援の現場、児童福祉関連施設や行政の現場などで、実践的に幅広く活躍できる指導者や研究者の養成を目指す。

取得学位・資格

〔取得学位〕修士(児童学)
〔取得資格〕 幼稚園教諭専修免許状(希望者)
※幼稚園教諭一種免許状取得者のみ

開講キャンパス

 池袋キャンパス

児童学専攻修士課程カリキュラムの基本理念

必修研究科目群科目(6単位)
「子ども」をトータルに観察し理解するために、児童学の基礎および調査・研究の基本を学びながら、児童学の理解をさらに深め、実証的な研究に役立てます。
選択研究科目群(20単位以上選択)
児童学専攻生の個々の研究課題と研究目的に応じて、下記の3つの研究選択科目群から選択することができます。
保育児童学研究選択科目群 保健・医療児童学研究選択科目群 特別ニーズ児童学研究選択科目群

課題研究(4単位) <修士論文執筆>

修士論文審査・口頭試問合格

修士(児童学)

履修モデル

パターン1 保育実践、保育研究に関する高度な専門的能力の養成

乳幼児保育、幼児教育に関する専門的知識を深め、現在当面している子育て支援、保育実践等の課題解決に向けた新しい理論、研究法、実践法の学習

科目群区分 1年次 2年次
必修研究科目群 児童学研究基礎論* 
教育学特論* 
保育児童学調査研究法
 
保育児童学研究選択科目群 乳幼児保育学特論* 
幼児教育学特論* 
表現文化実践演習* 
子育て支援特論* 
発達心理学特論*
保育内容研究特論* 
幼児教育実践演習* 
表現文化実践演習*
子育て支援演習*
保健・医療児童学研究選択科目群 小児保健特論
病児保育学特論
児童環境保健学特論
特別ニーズ児童学研究選択科目群 障害児保育特論*  障害児保育演習*
※幼稚園教諭専修免許状取得科目(24単位以上)

パターン2 病児保育や医療保育に対応できる専門性を持った実践家や研究者の養成

保健・医療の専門的知識をもとに、病児保育に対する実証的研究や実践能力をさらに深めたい方など

科目群区分 1年次 2年次
必修研究科目群 児童学研究基礎論 
教育学特論 
保育児童学調査研究法
 
保育児童学研究選択科目群 子育て支援展開論
乳幼児保育学特論
発達心理学特論
保育内容研究特論
表現文化実践演習
保健・医療児童学研究選択科目群 小児保健特論
小児科医学特論 
学校保健特論 
小児リスクマネジメント特論 
病児保育学特論
児童環境保健学特論
特別ニーズ児童学研究選択科目群 障害児保育特論  


パターン3 子どもの特別ニーズに対応できる専門的知識を持ち、特別支援教育につながる専門家の養成※

特別ニーズを持つ幼少児・学齢初期児の観察・評価力および対象児の対応について専門的知識・技能を身につけたいと考える方など

科目群区分 1年次 2年次
必修研究科目群 児童学研究基礎論
教育学特論
保育児童学調査研究法
 
保育児童学研究選択科目群 発達心理学特論
子育て支援特論
家族福祉特論
子育て支援演習
保健・医療児童学研究選択科目群 小児保健特論
小児医学特論
病児保育学特論
特別ニーズ児童学研究選択科目群 障害児保育特論
カウンセリング特論
障害児保育演習
カウンセリング演習
※幼・小・中・高いずれかの普通免許状(一種・二種)を有し、教員としての実務経験が3年以上ある場合、学部所定科目(14単位)を履修することにより「特別支援学校教諭二種免許状」を取得することも可能。

保育児童学研究 選択科目 保健・医療児童学研究
選択科目
特別ニーズ児童学研究
選択科目
現在、保育現場、養成施設、行政等で必要とされている、高度な専門性を備えた保育の専門的人材養成ニーズに応えます。乳幼児の保育・教育に関する研究の最新の学術的知見を扱い、保育実践の研究能力、実践の改善、指導助言ができる識見、技能の習得を図ります。 子どもの事故と安全対策、子どもの疾病と対処法、子どもを取り巻く環境への対応などの学術知見を取り入れ、病児・病後児保育における子ども及び家族への支援方法の基礎を習得させ、保育現場で研究能力、実践能力のある人材を養成します。 幼児期・学童初期の子どもの「特別な教育的ニーズ」に関して、敏感に感知・評価できる能力を持ち、これらに関して対応する処方を考案できる実力を養います。「軽度発達障害を含む障害」「社会的不適応」「家庭内不適応」に関する素養を活かして現実的に問題の解決を図るために分析・考察できる識見を身につけることをめざします。
【春期】
時間
10:45~12:15

教育学特論(必修)
13:10~14:40 児童学研究基礎論(必修)
14:55~16:25 小児医学特論(選択)
16:40~18:10
18:25~19:55 幼児教育実践演習(選択) 表現文化実践演習(選択) カウンセリング演習(選択)
障害児保育演習(選択) 子育て支援演習(選択) 小児保健特論(選択)
発達心理学特論(選択)
20:10~21:40 学校保健特論(選択)
【秋期】
時間
10:45~12:15 保育児童学調査研究法(必修)
13:10~14:40
14:55~16:25
16:40~17:10
18:25~19:55 障害児保育特論(選択) 幼児教育学特論(選択)

乳幼児保育学特論(選択)

カウンセリング特論(選択)
20:10~21:40 子育て支援特論(選択) 言語発達特論(選択) 病児保育学特論(選択)
小児リスクマネジメント特論(選択)
表現文化実践演習特論(選択) 家族福祉特論(選択)
児童環境保健学特論(選択)

必修研究科目群

*は幼稚園教諭専修免許状選択必修科目
児童学研究基礎論(2)* 児童学の基礎的理論、今日的課題等を学び、理論的考察、研究の基礎的技能を修得する。同一テーマの複数担当者による論述などを通して、最新の知見を学ぶとともにプレゼンテーション力を養う。
教育学特論(2) 「子どもと教育」というテーマで、欧米の教育史を振り返り、子どもの捉え方を考察し、「子ども」の見方の深化を図る。
保育児童学調査研究法(2)* 課題研究に必要な調査研究、実践研究などの研究法の概括及び統計的知識等を修得する。

保育児童学選択研究科目群

乳幼児保育学特論(2)* 総論として、乳児及び低年齢幼児の保育に関する基礎的研究を概括し、現代における乳幼児保育の動向や問題点について考究する。各論として家庭保育、集団保育それぞれにおいて当面する具体的課題を子どもの身体的・精神的発達、及び子ども・環境のそれぞれの視点から考察する。
幼児教育学特論(2)* 幼児教育論の歴史的変遷を踏まえて、現代の子育て状況と集団保育の役割を考察する。幼児教育研究の最新の論文を取り上げ、幼児教育の社会的背景、保育観、実践方法、子どもの発達等の関連、実践研究の方法等について検討する。
幼児教育実践演習(2)* 幼稚園、保育所等における実践に関する論文講読、および保育現場への参加観察等を通して、複雑な実践状況を的確に把握し、課題等を発見し、改善への方策を考える力を養う。具体的保育状況の展開過程分析、子どもと保育者との関係や内面の理解を演習形式で学ぶ。
保育内容研究特論(2)* わが国における保育内容の歴史的変遷、変遷過程における思想的、行政的問題点等について理解し、現在実施されている諸外国における保育方法、保育内容について学ぶ。幼児期の教育の特質理解を深める。
表現文化実践特論 (2)* 音楽的あるいは美術的な表現文化について講義形式によって、教育研究する。子どもの様々な音楽表現や美術表現を、文献を調査することなどを通して、また学生相互のディスカッションなどを通して理解・考察する。
表現文化実践演習 (2)* 音楽的美術的な表現文化について、演習形式によって研究する。子どもの様々な表現を理解・考察した上で、表現方法やその指導方法について学生相互のディスカッションやロールプレイ等を通じて探求する。
子育て支援特論(2)* 就労と育児の両立支援の推進、相談支援体制の整備・充実、子育て支援の情報提供、子どもの健やかな発達を支える環境つくりなど、子育て支援の状況と今後のあり方について、現在の子どもを取り巻く社会状況と関連させながら分析・研究する能力を養う。
子育て支援演習(2)* 子育て支援の現況について概観するとともに、院生各自が子育て支援の具体的あり方についてテーマを設定し、社会状況を分析しながら支援のあり方を研究する。
発達心理学特論(2)* 保育者と幼児の相互関係によって展開する生きた保育における子どもと、保育者の理解力を高める。子どもの発達過程、環境との相互作用等に関する最近の研究成果の理解、実践現場における子どもの内面理解、集団活動や指導効果の把握のしかた等について演習形式で学ぶ。
家族福祉特論 (2) 家族の構造、形態、機能について諸理論を講述するとともに、家族の責任としての養育、扶養の課題や今後の方向、ならびに社会的責任、公的責任としての新しい家族福祉の課題やあり方について講述する。

保健・医療児童学研究選択科目群

小児保健特論(2) 出生前小児科学の知識を修得すると同時に、小児の発育・発達とその生活の支援、母乳哺育推進の意義、小児期の疾病ごとに感染症とその予防対策などについて理解を深め、現状の分析と今後のあり方について学ぶ。
病児保育学特論(2) 病院に入院したとき、子どもは一人で寂しい思いをしている。子どもには病気の治療やケアのほかに、看護師、保育士、臨床心理士などによるトータル・ケアや「あそび」などによって精神的な安らぎを与えることが必要とされる。今日では、病児保育は働く父母のサポートのためばかりでなく、育児中の家庭支援へと分化してきており、その考え方を論究する。
学校保健特論(2) 学校保健の意義と目的をはじめ、学校保健の構造及び内容等について、および保健教育の保健学習と保健指導について、また、保健管理においては主体管理、環境管理、生活管理を中心に、学校保健として不可欠な内容を取り上げ論究する。
小児医学特論(2)
病児・病後児保育事業では、感染症に対する対応がまちまちで効果が十分に出ているとは言えない。看護師が「看護診断」をすると同様に、勤務する保育士にも「保育診断」をすることが求められている。そこで、本講では、小児科領域の病気に関する知識を学ぶと同時に、病気に対応する実践力を身につけていく。
小児リスクマネジメント特論(2) 少子・高齢・人口減少社会において、福祉・介護の制度・政策も変革の時期を迎えている。児童福祉と幼児教育にまたがる「子ども・子育て支援新事業」をはじめ、障害者福祉、地域福祉の分野における小児リスクマネジメントの動向を学習する。
児童環境保健学特論(2) 現代の児童をとりまく自然環境・生活環境について、保健学的見地から講義する。また、環境の変化に伴う健康状態の変化と望ましい環境づくりについて論究する。
※選択科目は年度により開講されないことがあります。

特別ニーズ児童研究選択科目群

障害児保育特論(2)* 障害児及び障害児をめぐる制度の理解、障害の特性の理解とこれに応じた支援方法を踏まえた上で、共生社会のための共に育つ保育のあり方や保育実践について学び考えていく。
障害児保育演習(2)* 健常児・障害児・軽度発達障害児・環境不適応児の特徴を踏まえて、保育園・幼稚園での保育活動の実践について解説する。
言語発達特論(2) 言語の障害までを視野に入れて、言語発達について学ぶ。また、言語発達の過程については、乳幼児の発達過程との関連を考慮しながら考察する。保育現場や相談臨床においてしばしば見られる言語障害の種類や様相などについても検討し、考察する。
カウンセリング特論(2)* 発達障害者知的障害の子どもの行動特性と支援方法について理解する。これを踏まえて、気になる問題について理解し、支援方法について考えていく。また、心理査定の方法、発達支援の方法や保護者のカウンセリングの方法について演習を通して学習する。
カウンセリング演習(2) 健常児・障害児・軽度発達障害児・環境不適応児の個別的な指導に関する様々な職種が担当している、言語面の指導、ソーシャルスキル指導、行動面の指導、感覚・運動面の指導、社会的自立の指導など各種の方法論について解説する。

※小・中・高または幼稚園教諭免許状取得後3年間の実務経験のある方で、希望者には「特別支援学校教諭二種免許状」取得の道を紹介いたします。

修士論文

課題研究(4) 各自の研究課題に沿った文献、資料および調査、収集データを分析・考察し、研究指導教員の助言・指導を受けながら、修士論文を完成する。